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無くしたものひとつずつ すくい取るみたいに 
彼がしてくれた事を 集めて悩もう 
 
 シラけた視線に慣れてゆく事だけを 許されるなら 
 心も体も引き裂いて 本気でそう願ってた 
 
自分の無力と引き換えに 彼を責められるなら 
答えの無い裏切りは もう いらないのに 
 
目に見えないかみそりを 髪の毛にあてても 
どこも痛くないくせに 少し泣いてみる 
 
 いとおしい場面がいつか切れ切れになって 零になるとき 
 あんなに無邪気に笑っていた私は もういないでしょう 
 
彼を解き放てる言葉が この口に云えたなら 
あとかた無くちぎれて 消えてしまおう 
 
 ちぐはぐな誠実こそが彼の武器 と 知ってしまった 今 
 
彼を解き放てる言葉が この口に云えたなら 
あとかた無くちぎれて 消えてしまおう 
 
彼がしてくれた事は 何も無かったね 
 
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